2023/12/05 東京ウェルネスインパクトファンド、女性のウェルネス課題デザインマップを公開
2023年12月4日
東京ウェルネスインパクトファンド
ウェルネス領域の課題解決を目指しインパクト投資を実践する東京ウェルネスインパクトファンド(以下TWIF、無限責任組合員:虎ノ門インパクトキャピタル合同会社、東京都港区、代表社員 株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ 代表取締役 青木武士、代表社員マネックスベンチャーズ株式会社 代表取締役 和田誠一郎)は、「女性のウェルネス課題デザインマップ」を公開しました。(PDFダウンロードページ)
本マップは、女性のウェルネスにまつわる社会課題の構造を因果関係とともに可視化したもので、初期版としてリリースしました。今後さまざまなステークホルダーの方々や専門家の方々とともにブラッシュアップしていく予定です。
本マップは女性のウェルネス課題解決を目指すみなさまにご自由にお使いいただくことが可能ですのでぜひご活用ください。
「女性のウェルネス課題デザインマップ」作成の背景
近年、女性を取り巻く社会環境の変化や人々の意識変容、また医学の進展により女性のウェルネスに関する課題意識は高まりをみせています。TWIFが支援対象とするスタートアップ業界においても多くの起業家が課題解決にチャレンジしています。しかしながら、まだまだ多くの課題に対して解決に資するプロダクトやサービスが十分に開発・提供しきれていない現状があります。
TWIFはウェルネス領域における投資支援活動を通して、このような課題解決が進まない状況の一因は、女性のウェルネスにまつわる課題が網羅的に整理され、構造的に把握されていないことである可能性を見出しました。
そこで、女性のウェルネス領域で活躍する有識者の方々にご協力いただき、ワークショップを開催し、女性が心身ともにより健やかに生きていくうえでの課題を抽出、整理しました。
作成過程において抽出された課題を「医療」「家庭・子育て・介護」「仕事・キャリア」「教育機会・健康情報」の軸で整理し、計132個の課題をマッピングしています。本マップを多くの方々にご活用いただき、女性のウェルネス課題のより適切な把握や改善促進の一助となることを願っています。
※本マップを改変する場合はオリジナルを改変したものである旨を記載ください。
女性のウェルネス課題デザインマップ作成ワークショップの様子
<内容協力者一覧 (順不同、敬称略)>
小笠原 由佳(藤村総合研究所/日清ホールディングス)
小川 真里子(東京歯科大学市川総合病院)
金子 萌(株式会社想ひ人)
木村 恵(一般社団法人Femtech Community Japan)
木村 琴子(株式会社menopeer)
金藤 美樹穂(株式会社uchu)
島影 真奈美(一般社団法人マリーゴールド)
杉浦 加菜子(株式会社じょさんしGLOBAL Inc.)
高岸 千恵 (株式会社笑美面)
高原 友美(株式会社サムライウーマン/まちのてらこや保育園)
中島 理紗子(日本薬学生連盟)
西本 美沙(ランドリーボックス株式会社)
西 史織(株式会社ステルラ)
和田 誠一郎(マネックスベンチャーズ株式会社)
西河 佑夏(マネックスベンチャーズ株式会社)
青木 武士(株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ)
後町 陽子(株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ)
内容協力者からのコメント(順不同、敬称略)
単に女性の課題、といっても、年代、出身地、家族構成、職業などによって、その課題は多様であり、このように俯瞰的に構造化することでその複雑さが理解され、より深い課題解決へつながることが期待できると思います。(小笠原 由佳、藤村総合研究所/日清ホールディングス)
今まではただ我慢することも多かった女性の健康課題について、多くの人が考え、意見を出していく機会が増えるきっかけになれば良いと思います。(小川真里子、東京歯科大学市川総合病院)
全年代の女性の課題を包括的にまとめているものは少ないので、社会としても大変意義深いものとなったと思います。個人としてもこのような機会に携われて大変光栄でした。(金子萌、株式会社想ひ人)
今回のマップ作成を通じて、女性の健康を取り巻く課題が可視化されることで、一人でも多くの方に課題が認知され、解決に向けて前進すること願っています。(木村琴子、株式会社menopeer)
女性の健康課題について、経済損失額が注目されていますが、何らかの症状があるにも関わらず、病院へ行く・薬を飲むなどの対策を取っていない女性も多いです。
その背景として、不快な症状を軽減するための方策について「教育を受けたことがない」知識の乏しさや「我慢してあたりまえ」という課題意識の乏しさがあります。
さらに「生理や更年期などの体調不良は公言すべきではない」という親世代の情報のすり込みやタブー感もある中、潜在化している課題を、顕在化していく取り組みを続けていきたいと考えています。(木村恵、一般社団法人Femtech Community Japan))
女性の健康課題は、ケガなどと違い目に見えないために、周囲に気づかれにくい性質を持っています。また、女性自身も不調が恒常化するなかで「我慢するもの」「こういうもの」と思い込んでしまい、積極的な改善策を取らない傾向もあります。症状や課題も同じ女性の中でも様々なため、男女間のみならず、女性間においても理解が醸成しきれていない場合も多いです。男女などの大きなくくりでとらえずに、状態は一人ひとり違うという当たり前のスタンスに立ち、相互理解と思いやりをもって取り組むことが改めて大切だと感じます。
今回のワークショップでは、カテゴリー×年代に分かれて網羅的にアプローチするとともに、課題間の関係性が可視化されたことが新しいと思います。課題をつなげていくと、社会構造や国の制度などにも絡んでいき、改めて個々人の問題ととらえずに社会全体で取り組むべき問題だと感じました。(金藤美樹穂、株式会社uchu)
様々な分野でご活躍の皆様と共に、多様な視点で議論できたことで、潜在化していた健康課題が浮き彫りになり、本質的な解決策に導くための一助になれたら幸いです。(杉浦加菜子、株式会社じょさんしGLOBAL Inc.)
この「女性のウェルネス課題デザインマップ」が課題解決につながり、女性がもっと生きやすく、暮らしやすくなることを心から願っています。(高原 友美、株式会社サムライウーマン/まちのてらこや保育園)
初回のディスカッションによる課題マップなので、切り口や参加対象者も限られているため、可視化されている項目もまだまだ氷山の一角だと思います。これからブラッシュアップされていく女性のウェルネス課題デザインマップも楽しみにしております。(西本 美沙、ランドリーボックス株式会社)
今回のワークショップの気づきとしては、この領域には可視化された共通理解がまだまだ足りていないということ、また「女性の」健康課題をマッピングしたものの女性自身も、当事者でない課題については理解が薄いことを再認識しました。今回のワークショップの時間では出しきれないくらいまだまだ課題があったので、今後のアップデートでより課題の可視化をしていきたいです。また、このマップが広く世の中に使われることにより、女性の健康課題への理解がもっと広まり深まることを願っています。(西 史織、株式会社ステルラ)
女性のウェルネスを取り巻く課題を網羅的に整理したことで、改めて多くの課題が存在し複雑に関係しあっていることを認識しました。ご協力いただきました方々のおかげで本領域の課題解決を促す大きな一歩となったと感じています。今後も、本領域に関わる方々と対話を重ね、具体的な解決アクションを起こしていきたいと考えます。(後町陽子、株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ)
■ 東京ウェルネスインパクトファンド (TWIF)について
設立:2023年2月24日
無限責任組合員:虎ノ門インパクトキャピタル合同会社
代表社員:株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ
代表取締役 青木 武士
マネックスベンチャーズ株式会社
代表取締役 和田 誠一郎
所在地:東京都港区赤坂1-12-32 アーク森ビル25階
URL:https://toranomon-impact-capital.com/
多岐にわたるウェルネス領域での課題に対し、さまざまな観点から課題解決に試みるスタートアップに投資・支援を実践する社会インパクト投資ファンドです。課題解決実践者の創出と財務リターン・社会的リターンの確保、社会インパクト創出への新たなお金の流れを生み出すことを目指しています。
■ 本件に関するお問い合わせ|
虎ノ門インパクトキャピタル合同会社 広報担当 info@vc-cmv.com