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Knot program 2025始動!ヘルスケア課題に挑む起業家たちと伴走メンターを紹介

株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズとおうちの診療所が主催する、インパクト起業家育成プログラム「Knot program 2025」が、2025年5月24日に始動しました。本プログラムには、医療・介護・福祉の現場で見えてきた社会課題に対し、本質的な解決を目指す4名の起業家が、選考を経て参加しています。これから約7ヵ月にわたり仮説検証を重ね、最終的には11月開催予定の「Healthcare Venture Knot 2025」で成果を発表する予定です。この記事では、「Knot program 2025」の概要に加え、志をもって参加した起業家たちと、その伴走者であるメンター陣のプロフィールやメッセージをご紹介します。
Knot program2025概要
Knot program は、「課題を解決しながら、しっかりと事業として成立させる」インパクト起業家を育てるための実践型育成プログラムです。医療・介護・福祉などの現場にあるリアルな課題に対して、当事者性や革新技術をもった起業家たちが、現場での仮説検証を繰り返しながら解決策を形にしていきます。プログラムの集大成は、11月に開催される「Healthcare Venture Knot 2025」で、約500名の観客を前に披露されます。
期間:2025年5月〜11月
目的:ヘルスケア領域において現場で起きている課題解決を、インパクト志向の起業という手段を用いて実践する
目指す姿:現場の当事者が「熱狂的な顧客」になるようなプロダクト・サービスの実現
形式:月1回の定例会(対面・東京)
メンタリング:プログラム期間中はメンターが1on1で伴走します
運営:株式会社キャピタルメディカベンチャーズ、おうちの診療所
◆ プログラムの進め方
Knot program では、Problem Solution Fit(PSF)の達成を目指し、初回に立てた計画をもとに仮説検証を進めていきます。各起業家には専任のメンターが伴走し、検証の過程を継続的に支援します。
「顧客が本当に抱えている課題は何か」「提案する解決策によって、どのような成果が得られるのか」といった問いを軸に、現場での丁寧な検証を重ねていきます。
検証結果は毎月開催される定例会で発表され、参加者やメンターからのフィードバックを受けながら、アイデアのブラッシュアップを図っていきます。なお、仮説検証にかかる費用については、起業家一人あたり最大20万円の補助が提供されます。
◆ スケジュール
- オリエンテーション (5/8) | プログラム説明、自己紹介、メンター発表
- 第1回 (5/24-25)|課題解決策フィット、課題とソリューションの仮説を言語化/ヒアリング計画
- 第2回 (7/3)|1ヶ月の検証結果発表+フィードバック
- 第3回 (7/24)|1ヶ月の検証結果発表+フィードバック
- 第4回 (8/28)|中間発表会(選抜)
- 第5回 (9/25)|1ヶ月の検証結果発表+フィードバック
- 第6回 (10/23)|1ヶ月の検証結果発表+フィードバック
- 第7回 (11/15)|Healthcare Venture Knot 2025でのピッチ
参加起業家の紹介
今回のプログラムには、「ヘルスケアの現場にある課題を、ビジネスの力で解決したい」という強い想いをもったインパクト志向の起業家たちが参加しています。多数の応募者の中から選考を経て選ばれた4名が、それぞれのテーマを掲げ、7ヵ月間のプログラムに挑みます。
◆川本 一輝(合同会社WillShine 代表)
事業テーマ「視覚障害のある方の教育システム構築」

2004年生まれ。筑波技術大学・情報システム学科在学中。視覚に障害がある当事者として、情報技術と教育の可能性を追求。高校時代には文部科学省「トビタテ!留学ジャパン」7期生としてタイに留学し、多様性や国際協働への理解を深める。2024年に合同会社WillShineを設立し、視覚障害児専門のオンライン個別塾『ブイリーチ』を立ち上げる。全国の子どもたちに、当事者によるマンツーマン指導を通じて学びと挑戦の機会を提供。2025年には「TOKYO SUTEAM賞」を受賞し、Yahoo!ニュースや点字毎日など多数のメディアにも取り上げられる。「見えない=できない」という社会の思い込みをなくし、誰もが自分らしく学び挑戦できる社会の実現を目指している。
<一言メッセージ>
合同会社WillShine 代表の川本一輝です。視覚に障害のある方々をはじめ、必要としている方に自分たちのサービスをきちんと届けられるよう、一生懸命、仮説検証に取り組んでいきたいと思います。
◆西岡 春菜(一般社団法人マイノリティ研究所 代表理事)
事業テーマ「障害者の雇用」

東京大学大学院在籍中。5年に渡り障害者同士の支え合いの場の自助グループの運営及び研究を行っている。
障害者同士の支え合い「ピアサポート」に着眼し、企業や行政にピアサポートを用いたプログラムを導入することで、障害当事者の方が職場において自身の悩みを気軽に話せる・共有できる場を作ることを目指す。
<一言メッセージ>
一般社団法人マイノリティ研究所 代表の西岡春菜です。あらためて、私たちが向き合っているのは非常に複雑で、まだ社会の中でも十分に解明されていない課題だと実感しています。だからこそ、その本質をしっかりと見極めながら、ニーズに届くプロダクトを形にしていきたいと思っています。
◆堀 圭佑(DataPrism Technologies株式会社 代表取締役)
事業テーマ:在宅医療におけるAI活用・DX推進

東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻修士。AIによる心臓不整脈診断技術を研究した後、AIスタートアップでデータサイエンティストとして複数のAIプロダクト開発を担当。その後、株式会社松尾研究所の共同研究プロジェクトでLLMの応用研究を推進。2024年にDataPrism Technologies株式会社を創業し、代表取締役として医療・製造・エネルギーなど多様な業界のDXを牽引している。
<一言メッセージ>
DataPrism Technologies株式会社 代表の堀圭佑です。この半年間、在宅医療におけるAI活用やDXの推進に全力で取り組んでいきたいと考えています。よろしくお願いいたします。
◆山中 享(LOOVIC株式会社 代表取締役)
事業テーマ「自立支援を促進する音声ナビゲーションシステムの開発」

デジハリ大学大学院修了。自らの子の出生時の脳損傷によるリハビリ経験から、空間認知課題を抱える当事者の自立支援の為の技術開発に着手。横浜ビジネスグランプリ2023優秀賞、CES2023 Omdia Innovation Awards受賞。NEDO SBIR 2024(厚労省・内閣府PJ採択事業)研究開発技術、大阪万博では総務省/NICT推薦(9月)および日本弁理士会推薦(10月)で出展予定。テレ東探究の階段トヨタイムズやNewsPicks にも出演。複数の大学、施設とも共同研究を行う。本年はリハ工ジャーナルの編集員。
<一言メッセージ>
LOOVIC株式会社代表の山中享です。このプログラムで必ずPSF(Problem Solution Fit)を達成します!よろしくお願いいたします。
メンターの紹介
担当起業家|川本一輝さん
◆ 後町陽子・及川大輝(株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ )

後町陽子(株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ ディレクター )
薬剤師/経営学修士
薬学部卒業後、JICA青年海外協力隊でガーナ国にて国際保健活動に従事。帰国後、病院・薬局にて臨床経験を積んだ後、病院経営コンサルタントとして、オペレーション改革・組織改革、人材マネジメント支援、ヘルスケアスタートアップの育成プログラム運営等を担当。外資系コンサルティングファームにて製薬企業向け戦略コンサルティングおよびDX支援を経験後、現職にて投資・投資先支援等を担当。及川 大輝(株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ アソシエイト)
東京理科大学理工学部機械工学科、慶應義塾大学大学院経営管理研究科(MBA)
日立コンサルティングで大手自動車会社向けに働き方改革や全社デジタル化プロジェクトのマネジメント業務と並行して、リモート業務施策支援、IT活用支援を担当。その後、ヘルスケアやスタートアップに興味を持ち、CMVに参画。現職にて投資・投資先支援等を担当。
<一言メッセージ>
後町:川本さんならではのサービスが、さらに進化し、必要としている多くの方々のもとに届くよう、しっかりとサポートさせていただきたいと思います。
及川:川本さんが描く世界観には強く共感しており、「視覚に障害のある方への教育」というテーマに、私自身も大きな意義を感じています。初回の合宿で設定した目標をしっかりと達成できるよう、これから全力でサポートしていきます。
担当起業家|西岡春菜さん
◆ 平岡 仁志(株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ)

2004年 新卒で自動車内装部品メーカー、2007年 日本GEを経て、2009年 医療系ベンチャーのエス・エム・エスに転職。同年12月、エムスリーキャリアの立ち上げに伴い転籍。医師紹介事業の立ち上げ等、事業成長に貢献。2016年3月、01Boosterに参画し、複数の行政や大手企業のオープンイノベーション支援や社内新規事業支援、スタートアップ支援、起業家育成などに従事。2012年 グロービス経営大学院MBA修了。
<一言メッセージ>
今回、西岡さんが取り組まれているのは、障害者雇用という非常にチャレンジングで重要なテーマです。この半年間、一緒に課題に向き合い、解像度を高めながら、ビジネスとしてもしっかりと形になるよう伴走していきたいと思っています。メンターとしても気合いを入れてサポートしていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
担当起業家|堀 圭佑さん
◆ 甲 浩子(おうちの診療所目黒 事務長)

慶應義塾大学薬学部卒。薬剤師。新卒でエムスリー株式会社に入社。製薬企業向けマーケティング支援業務に従事。薬剤プロモーションの戦略立案、サービスの企画営業・運営、配信コンテンツのプロデューサー等を経験。2018年より秋葉原内科saveクリニックの立ち上げ・週末事務長。2020年6月より現職。株式会社omnihealにてコンサル業務、総務、おうちの診療所 目黒事務長。
<一言メッセージ>
堀さんのプロダクトが、素晴らしい形で実現できるよう全力でサポートしてまいります。これからどうぞよろしくお願いいたします。
担当起業家|山中 享さん
◆ 横田 達之(おうちの診療所 / 株式会社omniheal)

理学療法士。新卒から東京都内の訪問看護ステーションにて勤務しその後、整形外科クリニックでの経験を経て、現在は東京都内で訪問診療を提供しているおうちの診療所 / 株式会社omnihealに在籍。訪問リハや地域連携業務等の診療所業務の傍ら、ACP普及・啓発のためのボードゲーム「エンディングゲーム」の活動を行っている。Healthcare Venture Knotには2019年から参加。
<一言メッセージ>
メンターとしての経歴は浅いですが、山中さんが優勝できるように頑張って支えていきたいと思います! よろしくお願いいたします。
みんなのメンター
◆ 青木武士(株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ 代表取締役)

関西学院大学経済学部、英国国立ウェールズ大学大学院 MBA
日立造船でバイオマス発電事業等に携わった後、(株)エス・エム・エスにてM&Aやヘルスケアベンチャー投資の責任者として数多くの投資やヘルスケアインキュベーションプログラムの運営を行う。また、訪問看護ステーションの設立・運営など医療・介護現場のオペレーション経験も有する。キャピタルメディカ・ベンチャーズを設立し、代表として運営に携わる。
みんなのメンター
◆ 石井洋介(株式会社omniheal代表取締役 / おうちの診療所中野 院長)

2010年高知大学卒。消化器外科医として手術をこなす中で、大腸癌などの知識普及を目的としたスマホゲーム「うんコレ」の開発・監修、「日本うんこ学会」の設立を行う。厚生労働省医系技官や経営コンサルタント等を経て現職。おうちの診療所中野にて院長、秋葉原内科saveクリニックにて共同代表を務める。著書に『19歳で人工肛門、偏差値30の僕が医師になって考えたこと』(PHP研究所、2018年)など。
運営メンバー紹介
以下のスタッフが、起業家のサポートをさせていただきます。
青木 武士(株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ 代表取締役)
後町 陽子(株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ ディレクター )
本田 克徳(株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ キャピタリスト)
及川 大輝(株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ アソシエイト)
平岡 仁志(株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ)
河村 由実子(株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ コミュニケーター)
嵯峨 京子(株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ ミドルバック / マーケティング&管理)
石井 洋介(株式会社omniheal代表取締役 / おうちの診療所中野 院長)
甲 浩子(株式会社omniheal / おうちの診療所目黒 事務長)
横田 達之(株式会社omniheal / おうちの診療所中野)

以上、本記事では、「Knot program 2025」の概要とともに、参加起業家やサポートスタッフについてご紹介しました。
Knot programは、現場の課題感とヘルスケアビジネスをつなぐべく発足した起業家育成プログラムです。ビジネス領域の方には医療現場の視点を、医療職の方には事業づくりのノウハウを提供しながら、社会課題を解決し、持続可能なビジネスを構築できる「インパクト起業家」の育成を目指しています。医療・介護・福祉に深く根ざした2社だからこそ提供できる実践的な支援を通じて、参加者のみなさまが実りある7ヵ月を過ごせるよう、全力で伴走してまいります。
プログラムの様子は、本サイト内で適宜配信していきます。当サイトのほか、キャピタルメディカ・ベンチャーズおよびおうちの診療所のX(旧Twitter)でも随時発信していきます。ぜひフォローのうえ、挑戦の軌跡を一緒に見届けてください。